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◆神品「この物語の底には社会的なテーマが流れていると思うんですけど、吉野監督がこれを映画にしようと思ったのはどんな気持ちからなんですか?」
◆吉野「連日、酷いニュースが耳に飛び込んできますよね。親が子を殺し、子が親を殺す…正に末世。そんな世界と子供たちには、いつの日も『ヒーロー』が必要であるわけで、そして今回は、僕なりの『ヒーロー』を描いてみたいと思ったのがこのシナリオを書いたきっかけです」
◆神品「なるほど、それはシナリオからもよく伝わってきます。吉野監督の映画はいつも『繋がり』というテーマを感じるんですが、今回もそれを感じます。いま一番欠けているのもまさに繋がりですよね」
◆吉野「ええ、そうですね。この時代に、一番希薄になってきている『繋がり』です。単純に、子は親の背を見て育つわけで、その親も実は子の時に親の背を見ているわけで、つまり、いきなり親が子を、子が親を殺すようにはならないのです。脈々と続く『負のスパイラル』が現代に具現化している中で、どこかでそれを断ち切る必要がある。その一番ベーシックな部分が家族にあると僕は思っています。『親子』が立派であるとか賢いとか、そういう表層の価値観は何も必要ありません。要は『愛せる』対象かということです」
◆神品「監督自身が今回の作品の中で、ここが見せ場だというところはどこですか?』
◆吉野「見せ場というか、僕の好きなシーンは亮が小夜の為に歌うところです。壱成さんも菜月ちゃんもとても素敵な表情をしていました。あとは皆さんで見つけてくださればありがたいです」
◆神品「キャストはいかがでしたか。ボクは一貫して普段のキャラクターではない役者の顔を見たいなと思っているんです。でもいしだ壱成さんは、案外やりやすいって言ってましたね」
◆吉野「いしだ壱成さんとは、クランクインの2週間前に初めてお会いしたのですが、その時、ボロボロになった脚本の第2稿を持っておられ、『ああ、すごく読み込んで来てくださった!!』と感動したのを覚えています」
◆神品「壱成さんは常に穏やかで、全てのスタッフやキャストにも気を使って接していて、人間的な面でも素敵な方ですよね。新人の子も演技だけでなくこういう部分もちゃんと見て、見習って欲しいなあと思いましたねえ。小倉さんの演技はどうでしたか?」
◆吉野「最初は、小倉優子さんの役は今とは違う無難な小学校の先生だったのです。でも小倉さんが演じると決まったので、小倉さんに演じてもらう為のリライトをしました。だからこの物語で唯一、決まった誰かの為に書いた役が園田真子というキャラクターです。僕としては、彼女にこりん星を離れていただき、面白いチャレンジが出来たのではないかと思っているのですが、小倉さんはあまりなじみの無い感じの役柄で戸惑われていたかもしれません。でも、忙しいスケジュールの中で、完璧に台詞を覚えてきていたということに驚きました。『淡々と、何もしないで』という要求もきちんと応えて下さり、本当に賢い方だと思います」
◆神品「万作さんは、とても謙虚で素敵な方ですよねえ」
◆吉野「万作さんといえば、必ず思い出す言葉があって、それは前作の出演依頼の時、僕が、小さな自主映画で恐縮です」と言ったことに対し、『俺らこういうことが好きでこの仕事やってるんだから、大きい小さいは関係ないよ。そんなのカッコ悪いでしょ』と返してこられたことです。色々と相談にも乗ってくれて、クリエーターの大先輩であると共に、かけがえの無い友人、同志です」
◆神品「今回は新人や子役もたくさん採用しているんですが、彼らはどうでした?」
◆吉野「菜月ちゃんはこの物語の主人公ということもあり、彼女への要求はかなり大きかったのですが、見事な演技だったと思います。キャバ嬢3人娘を演じてくれた須藤香奈さん、田口育実さん、山本博子さんは、本読みの段階から群を抜いて上手く、僕の中では、この作品の「スリーアミーゴズ」 だと思ってました。撮影では、オッケイを出した後も、やり残しがある!と悔しそうにしていた田口さんの表情が忘れられません」
◆神品「いいですねえ。そういう頑張る人をちゃんと見てあげて評価するのもわれわれの仕事だなと思います。
ありがとうございます!また一緒に仕事できることを楽しみにしています」
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◆神品「それぞれみなさん、今回はどんな役なんですか?」
◆いしだ「ボクの役は一言で言うと天真爛漫な役です。自分は引っ込み思案なところがあるので、この役のように人の家庭にズカズカ入るようなことはできない。ある意味羨ましくはあります」
◆池内「ボクは台詞とかほとんどなくて、謎の男です」
◆小倉「学校の先生で夜はキャバ嬢なんですけど、台詞がこんなに多くあるのが久々だったのですごく緊張しました」
◆神品「どうですか、現場の印象とか」
◆いしだ「監督がお坊さんのような人なんです。お坊さんを目指して監督もしているみたいな。だから話も、こうだと思うではなく、そうなのです、みたいな感じでわかりやすいんですよ」
◆池内「殺陣師の方が面白かったですねえ。自分ならどうやりたい?とか聞かれたことが新鮮だった」
◆いしだ「そうそう、面白い人だったね。万作さんとは格闘のシーンだけで会話らしいものはないんです。でもボクも彼もなんでですが格闘が大好きなんですよ。つい構えが入っちゃったり、大げさなアクションしちゃうんですけど、殺し合いというのはもっと醜く泥臭いのですとか言われて」
◆神品「小倉さんはご自分の役はどうでした?」
◆小倉「まわりに壁を作ってうちとけないという役なんですけど、つい普段の元気な自分が出てしまうっていうか。
でもぜんぜん違うのである意味、やりやすかったです」
◆神品「子役の方もたくさん出ていますけど、いかがですかその辺は」
◆いしだ「子役の子とはまだリハーサルなんで和気あいあいなんですけど、映画の中では『早く死んで』みたいなこと言われるんですよ。だからそう言われた時はどんな感じだろうなとかいろいろ考えてますね。でも距離をつめるという意味で、休憩時間にトランプとかしましたけどね」
◆池内「子供たちとはあんまり映画の中では関わらないけれど、どこまで自分は汚れてしまっただろって思いましたね(笑)」
◆いしだ「言うと思った(笑)」
◆神品「ここを見てほしいというシーンなんかありますか。小倉さんいかがですか?」
◆小倉「小町と長く歩くシーンがあるんですけど、ここは台詞をきっちり覚えたんで見てほしいですね」
◆神品「新人の方もたくさん出ているんですけど、最後にみなさんからメッセージをいただけますか?」
◆小倉「自分もまだまだ新人なんですが、よく思うのはがんばったら絶対にいいことがあるっていうことです。だから新人の方もがんばってほしいです!」
◆池内「新人の方には…特にないですけど、自分なりに楽しめばいんじゃないですかね。あとフランクに声をかけてください(笑)。でも遅刻だけはだめです」
◆いしだ「自分のやりたいことをできるというのはすごくシアワセなことだと思うんです。たくさんの人の中のワンピースになれるというのは誰もが必要な存在なわけで、その中で自分の才能が生かせれば本当に素晴らしいことだから、がんばってほしいですね」
◆池内「あと、演技論は禁止。言うだけでうまくなるんならどんどんやりますもん」
◆神品「ありがとうございました」







